2025/06/02(月)
マンション売却時の修繕積立金とは?精算・滞納・トラブルの注意点を解説!

マンションを売却する際、「修繕積立金は戻ってくるのか?」「修繕積立金の滞納があると売却できない?」といった疑問を持つ方は多いはずです。特に中古マンションの売却では、修繕積立金や管理費の取り扱いが原因で、買い主との間にトラブルが発生するケースもあります。
本記事では、マンションの修繕積立金の基本知識と、売却する際の注意点を分かりやすく解説します。修繕積立金を滞納した場合のリスクやトラブル事例にも触れるので、ぜひ参考にしてください。
1.修繕積立金とは
修繕積立金とは、分譲マンションにおいて定期的に実施される「大規模修繕」に必要な資金のために、毎月積み立てるお金のことです。壁や屋上、エントランスなどの共用部分の改修・修繕に使われます。
大規模修繕工事のスパンは物件にもよるものの、大体10〜15年に一度のサイクルで実施されます。
修繕積立費は「管理費」と混同されがちですが、それぞれ異なる目的で徴収される費用です。管理費はマンションの清掃や設備点検など運営のために必要なコストであるのに対し、修繕積立金は「将来のための貯蓄」という位置づけで徴収されます。
2.【修繕積立金】売り主の立場で気をつけたいポイント
ここでは、分譲マンションを売却する際の修繕積立費について、売り主が知っておくべきポイントを解説します。
①修繕積立金は基本的に返金されない
修繕積立金は、マンションの共有部分を将来的に改修・修繕するために、住民たちで積み立てていくお金です。これは管理組合の共有財産とみなされるため、原則として、マンションを売却しても過去に支払った積立修繕費は売り主個人に返金されません。積み立ててきた金額は、新しい所有者に引き継がれることになります。
この事実を知らずに「不動産を手放したらこれまで積み立てたお金が返ってくるはず」と思っていると、トラブルの元になりかねないため注意が必要です。
②管理費も原則として返金されない
管理費は、マンションの清掃や設備の維持、管理会社への報酬など、マンションの運営に必要なコストに対して使われます。管理費も、修繕積立金と同様に「管理組合が保有する共有財産」と定義されているため、原則として売却時に返金されることはありません。
③修繕積立金を買い主と精算できるケースがある
修繕積立金や管理費は基本的に返金されませんが、売買契約で「引渡日を基準にした日割り精算」が定められているケースもあります。このケースでは、例えば5月10日にマンションの引き渡しが行われる場合、5月11日以降の修繕積立金や管理費は、新たなオーナーである買い主が支払う義務を負います。
ただし、精算の有無や精算される範囲は契約内容によって異なるため、あらかじめ管理組合や管理会社、もしくは依頼した仲介会社に確認しておくと安心です。契約内容を確かめた上で、売り主・買い主で修繕積立金の精算に対する合意を得るようにしましょう
3.修繕積立金を滞納したまま売却する際の注意点
マンションの売却を控えている方のなかには「返金されないのであれば、修繕積立金を支払いたくない」と考える方もいるかもしれません。
結論から伝えると、修繕積立金を滞納した状態でマンションを売却することは可能です。しかし、売却時や売却後にトラブルに発展する恐れもあります。
ここでは、修繕積立金を滞納したままマンションを売却するとどうなるのか、そして売却した際のリスクや注意点を詳しくみていきましょう。
①修繕積立金を支払わないとどうなる?
修繕積立金の滞納が続くと管理組合の運営に支障が出るため、厳しい措置が取られることもあります。
まずは、管理組合から連絡があったり、督促状が届いたりするのが一般的です。連絡や督促状を無視して長期間放置した場合には、最終的に法的手段を取られる恐れもあります。
また、滞納している情報は管理組合や管理会社を通して買い主に知られる可能性が高く、売却時の印象が悪くなる要因にもなりかねません。最悪の場合、滞納していた事実が原因で契約が白紙となってしまうケースも考えられるため、なるべく早いタイミングで精算しておくのが望ましいでしょう。
②修繕積立金を滞納したまま売却する際の注意点
滞納がある状態でもマンションを売却できますが、契約を結ぶ際に値引き交渉をされる恐れがあります。マンションの売却代金から、これまでに滞納した費用を差し引くように求められるケースもみられます。
万が一滞納がある場合は、売却後に手元に残る金額が減ってしまうリスクを考慮し、事前に管理組合や仲介会社に相談をした上で売却活動を始めるのがおすすめです
4.修繕積立金にまつわるトラブル事例
修繕積立金にまつわるトラブルは、売り主と買い主の双方にとって大きなストレスとなります。特に注意したいのが、修繕積立金の値上げが予定されているのに開示していなかったり、積立不足による一時金が発生したりするケースです。
ここでは、実際に起こりがちな2つのトラブル事例と解決策を紹介します。
①修繕積立金の値上げ情報を開示しなかったケース
マンションの修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えて大きく2通りの方法で運用されます。
・均等積立方式:最初から一定額を積み立てる方式
・段階増額積立方式:築浅の時期は低く設定し、徐々に増額される方式
多くのマンションでは「段階増額積立方式」が採用されており、築年数が進むにつれて積立額が段階的に上がっていくのが一般的です。
ここでトラブルになり得るのが、近い将来に修繕積立金の値上げが予定されているにもかかわらず、その事実を買い主に伝えていないケースです。例えば、5年後に月額1万円から1万5,000円に増額される場合には、その情報を買い主に伝えないと大きな問題に発展する恐れがあります。
マンションを売却する際は、買い主に長期修繕計画書や総会資料を開示し、修繕積立金が将来どの程度かかるのかという見込みを共有するのが、トラブルを回避するポイントです。
②積立金が極端に不足しており、急な一時金の徴収が発生するケース
十分に修繕積立金を積み立てられていないマンションでは、大規模修繕を控えるタイミングで「修繕積立一時金」としてまとまった金額を請求される可能性があります。
数万円で済むケースもあれば、100万円単位で請求されるケースもあります。買い主にとっては予期せぬ大きな負担となるため、事前に積立金の残高や修繕履歴を確認しておくことが大切です。
売り主は買い主に対して、過去に一時金を徴収された事実や、将来的に同様の徴収が発生する可能性があることをきちんと伝える必要があります。長期修繕計画や管理組合の収支報告をもとに、丁寧に説明をしていきましょう
5.まとめ
マンションを売却しても、修繕積立金は原則として返金されません。また、修繕積立金の滞納がある場合や、将来的な値上げ予定・積立不足のリスクがある場合には、買い主との間でトラブルにつながる恐れもあります。
中古マンションをスムーズに売却するためには、信頼できる専門家のサポートが必要不可欠です。
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