2026/07/17(金)
売買契約から引き渡しまでに「もしも」が起きたら?契約後の相続手続きと知っておくべきポイント
こんにちは!不動産売却専門店カウイエの塚田です!
不動産取引は、売買契約を結んでから、実際に代金を支払って鍵(所有権)を受け取る「引き渡し(決済)」までに、通常1ヶ月〜数ヶ月ほどの期間が空きます。
この期間中に、もし売主様、あるいは買主様が亡くなってしまったら、締結した売買契約はどうなるのかお話します!
「白紙に戻るのでは?」と思われがちですが、実は違います。今回は、契約から引き渡しまでの間に相続が発生した際の実務上のルールと、押さえておきたい注意点をわかりやすく解説します。
- 原則:売買契約は「有効」のまま引き継がれる
民法のルール(包括承継)により、売買契約の締結後に当事者が亡くなっても、契約自体は無効やキャンセルにはならず、そのまま有効に存続します。
亡くなった方の「売主としての立場(義務と権利)」や「買主としての立場(義務と権利)」は、そのまま相続人が引き継ぐ(相続する)ことになります。
つまり、相続人は亡くなった方に代わって、契約を最後まで履行(完了)させなければなりません。
- 「売主」が亡くなった場合の手続き
売主様が亡くなった場合、相続人は「不動産を引き渡して登記を移転する義務」と「売買代金を受け取る権利」を引き継ぎます。
具体的には、以下のような実務対応が必要になります。
手続きの流れ(売買代金決済前の死亡時)
- 相続人の確定と遺産分割協議
まずは、亡くなった売主様の戸籍を集めて法定相続人を確定させます。
- 相続登記(名義変更)
買主様へ所有権を移転する前に、一旦、不動産の名義を亡くなった売主様から「相続人」へと変更する相続登記が必要になります。※代金支払い「後」に亡くなった場合など、一部例外的に相続登記を省略できるケースもあります。
- 決済・所有権移転登記
相続登記が完了した後、買主様から残代金を受け取り、相続人から買主様へと所有権移転登記を行います。

注意ポイント:足並みが揃わないリスク
相続人が複数いる場合、相続人全員の同意や書類(印鑑証明書など)が必要です。もし相続人間で意見がまとまらなかったり、連絡が取れない相続人がいたりすると、引き渡し期日に間に合わず、買主側から契約違反(履行遅滞)として違約金を請求されるリスクが生じます。
- 「買主」が亡くなった場合の手続き
買主様が亡くなった場合、相続人は「売買代金を支払う義務」と「不動産を受け取る(所有権を得る)権利」を引き継ぎます。
手続きの流れ
- 購入資金の確保
買主様が住宅ローンを利用予定だった場合、本審査承認前や融資実行前に亡くなると、当然ローンは実行されません(団体信用生命保険も、融資実行前であれば適用外となるのが一般的です)。相続人は、自己資金などで代金を支払う必要があります。
- 所有権の移転登記
売主様から、一度「亡くなった買主様」の名義に登記を移転した上で、そこから「引き継ぐ相続人」へと相続登記を行う形が基本です。
- 税務上の扱い:相続税と譲渡所得税はどうなる?
売買契約中の物件は、相続税の申告において「不動産そのもの」ではなく「売買代金に関する権利・義務」として評価されます。
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立場 |
税務上の評価(相続税の対象) |
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売主が死亡 |
受け取るはずの**「売買代金請求権(未収金)」**が相続財産となる。 |
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買主が死亡 |
引き渡しを受けるべき**「不動産取得請求権」**が相続財産となり、支払うべき未払代金は「債務控除」として差し引かれる。 |
また、売主様の相続人が代わりに売却手続きを完了させた場合、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対する所得税の確定申告は、引き継いだ相続人が行う必要があります。

まとめ:万が一の時は、すぐに専門家へ相談を
売買契約後の死亡による相続は、通常の手続きに比べて「売買契約の履行期限」というタイムリミットがあるため、非常に時間的余裕がありません。
戸籍の収集や遺産分割協議、必要書類の準備などをハイスピードで進める必要があります。
もし取引の途中で当事者の体調悪化やご不幸があった場合は、自己判断せず、速やかに仲介手数料を支払っている不動産会社や、登記の専門家である司法書士、税務のプロである税理士に相談し、スケジュールを調整しながら進めていくことが何よりも大切です。
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